冒険者の報酬交渉
CardWirthのシナリオにおいて、ときどき初っ端から報酬の値上げ交渉をするものがあります。私はそれがちょっと違和感を覚えるのだけど、他の人はそうでもないのかなと思って聞いてみました。
創作のファンタジー世界において、冒険者が依頼主に仕事の報酬の値上げ交渉をすることは正しいと思いますか? 私は、依頼書に書かれた報酬に納得して依頼を受けるものだと思うので良い行動だとは思えませんが、他の意見も聞いてみたいです。
とても筋の通った疑問だと思います。 このテーマは、「冒険者という職業をどう定義するか」、そして「世界観の経済・倫理がどう設計されているか」によって評価が分かれます。以下、代表的な立場を整理します。
1. 値上げ交渉は「正しくない」とする立場(あなたの考えに近い)
この立場では、冒険者は「掲示板や依頼書に明示された条件を確認し、納得した者だけが受注する職能者」とされます。
- 根拠
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- 契約の成立性
- 依頼書=提示条件であり、それを了承して受注した時点で契約が成立している。後出しの条件変更は信義則に反する。
- 職業倫理
- 危険度や報酬を見極める判断力も冒険者の技能の一部であり、見誤った責任は冒険者側にある。
- ギルド制度との整合性
- ギルドが報酬相場や危険度を管理している世界では、個別交渉は制度破壊につながる。
- この世界観での評価
- 値上げ交渉をする冒険者は「未熟」「信用できない」「規約違反」と見なされやすい。
- あなたの感覚は、このタイプの世界観では「非常に妥当」です。
2. 条件次第では「交渉は正当」とする立場
一方で、交渉そのものを「不正とはしない世界観」も多く存在します。
- 正当化される典型的な条件
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- 依頼内容が当初説明と著しく異なる場合
- 想定外の強敵
- 危険度の虚偽申告
- 追加目標の発生
- 依頼主側の情報不足・過失
- 依頼主自身が事態を把握していなかった
- 成功報酬・出来高制の文化
- 「困難度に応じて報酬を再協議する」慣習がある社会
この場合、交渉は【契約の再締結】【条件変更に対する補償請求】として扱われ、むしろ合理的な行動になります。
3. 冒険者が「自由業・傭兵」に近い世界観
冒険者が半ば「個人事業主・傭兵・フリーランス」として描かれる世界では、交渉は日常的です。
- 特徴
- ギルドは斡旋所に過ぎない
- 報酬は「最低保証額」
- 交渉力も実力のうち
この場合、【値上げ交渉=現実的・したたかな行動】【交渉できない冒険者=交渉力不足】という評価になります。
4. 物語的な観点からの使い分け
創作では、どの価値観を採用するかでキャラクター性が明確になります。
- 値上げ交渉をしない冒険者
- → 誠実、職人気質、古風、規律重視
- 強気に交渉する冒険者
- → 現実主義、計算高い、経験豊富、あるいは狡猾
- 交渉を巡って対立が起きる
- → 世界観の倫理観を示す良い装置
5. 結論
あなたの「依頼書に書かれた報酬に納得して依頼を受けるものだ」という考えは、制度化された冒険者ギルドを前提とするファンタジー世界では非常に整合的で、正当な倫理観です。
ただし、以下のような設定では、値上げ交渉も「正しさの一形態」になり得ます。
- 情報の非対称性が大きい世界
- 契約慣行が曖昧な社会
- 冒険者が半傭兵的な存在
なるほどなぁ、と思いました。CardWirthでは依頼内容を聞く前に「値上げ交渉」が選べたり、しかもどういう交渉をするかは自分では選べないことも多いから、余計に違和感になるのかも。危険手当とかの話なら妥当だと思うけど、そこはゲームだから毎回となるとダルくなるので省略してほしい気持ちもある。危険手当は後請求可って取り決めしてあるとかなんとか…。もし最初から少し低い報酬設定で、そこに気付いて交渉してねっていう作者さんの意図なら、私には難易度が高いw 交渉力不足ってことですね!