ギルド『空中庭園』 ギルドマスターの手記
2008年1月16日のこと。ついに紋章を作るために必要な材料が全て集まった。
狩りをして得るには自分たちはあまりレベルが高くない。そうすると露店を巡るか、売りの叫びに耳を澄ませるか、ポーションを持っていって10万ゴールドと交換するか。いずれにせよ、時間とお金がかかった。集め始めたころは、遠い先のことでもいつか輝く紋章を夢見て、うきうきとした気持ちでいた。でも、時間とお金がかかればかかるほど、それでも完成を近くに感じられないことに、段々と気が重くなっていった。
しかし、ここ数日で運良く足りていなかった材料をまとめて、しかも安く買うことが出来た。ほとんどの材料があと数個になり、ラージヒールポーションを満載して何度も砂漠へと足を運んだ。大きな期待とともに!
そして、ついに…!

リンケンの宿屋2階のジレッドを訪ねた。今まで苦心して集めた材料で絵画道具を作ってもらうために。

では、道具を作ってもらえますか? 誇りとも言うべき紋章だ、そのための道具もそれなりものでなければ。優れたものを作ってもらえるなら、ぜひそう願いたい。


そう言われて会ってみたのだが、すでに材料を全て集めている我々にはあまり意味がなかった。
はい。ここにあります。

この日のために集めてきたものだ。この材料の重みも、心地好く感じる。

筆も、紙も、染料も、全て必要です。道具に変えるとはいえ、手元から無くなってしまうのはちょっと寂しいな。

どうでもいいんだが…。こっちはこんなに感慨深いってのに、あんたは軽すぎやしないか? いや、きちんとしたものさえ作ってもらえれば、いいんだが…。

おお、これが道具か! ありがとう!
ギルド紋章を作りたい

では、紹介してください。そんなことまで世話してもらって、本当に感謝する。どんどん紋章完成に近付いていってるのがわかるよ。失敗は許されないからな、逸る気持ちを抑えて、冷静にならなければ。

と、言ったそばから記録を忘れてしまったようだ。作りたい紋章によって紹介してくれる人が違うらしい。我々はアイテムの形の紋章にするので、色んな武器や物を描く専門家を紹介してもらおう。ジャンキというらしいな。うん、この方にお願いします。

ずいぶんテンションの高い人だな…。まあ、いい。こちらも目的のためには人の選り好みをしている場合じゃないからな。

もらってきたというか、いろいろなものをかけて集めた材料で作ってもらったんだ。そんな簡単なことみたいに…、ううむ、もういい。はい、これです。

そしたら、武器図鑑を私が求めて来ますので、作ってくださいませんか? と笑顔で応対したものの、大事な紋章を描いてもらうのには頼りないというか不安になるというか…。大丈夫かな、この人…。

ああ、アベルさんね。前にも会ったことがありますよ。娘さんに届け物を頼まれてね。複雑な道筋だけど何度か通ったので覚えている。では、行ってこよう。

はい、お願いします。300万ゴールドが安く感じられるから、慣れっていうのは怖いな。道具の材料をちょっとでも纏め買いしようものなら、500、600なんて軽く飛んでいくもんなぁ。

ああ、わかった。もう会うこともないだろうが、あんたも達者でな。

さて、これで必要なものは全部揃ったんだな? そうか、これが…、紋章になるのかぁ。おっと、感慨に耽ってる場合じゃないな、早くジャンキさんの下へ戻るとしよう。
ギルド紋章の制作

はい、お願いします。礼なんかいいさ、自分のためにやったまでだから。

これで…! これでついに紋章が作れる! これを使って色や形を決めるんだな? では、さっそく…!

あらかじめどんなものにするかは決めてあったんだが、実際にやるとまたイメージと違ってたりするな。じゃあ、シンボルの色はこれで…枠をこっちにして…あれ、じゃあ、やっぱり背景はこれで…。うーん、よし、これに決めたぞ!

終わったー! さあ、出来栄えはどうだ? どんなだ!?

どーん! わはは、いいな、これ! カッコイイな!

枠が青、背景が白、シンボルが青。空に浮かぶ白い雲、そこにあるのは空の植物で造成された、空の庭園。我が「空中庭園」をイメージした紋章だ。地上の争いとは無縁の平和な場所、そんなギルドであり続けたいと願う。